ayutaka

ピアノ・レッスン 4Kデジタルリマスターのayutakaのネタバレレビュー・内容・結末

4.8

このレビューはネタバレを含みます

30年振りに鑑賞。

やはり、凄い。
飽きさせないストーリーテリング。
ピアノを主としての伏線。
そして、女性ならではの「意志」。
名作『ナビィの恋』を少し思い出した。

命と同等のピアノ。
その行く末を提示するかのような、
その楽器に対する男たちの判断。

愛の表現だけ、不器用な女。
愛を求めるが、理解力に乏しい夫。
愛のために、手段を選ばぬが
理解力のある男。

「自分が好きだから」ではなく、
「相手が好きなもの」
を理解できたか否かが
新しい幸せへのキーワードとなる。

楽器にとって、最大の敵、
「潮風」「水」から救ったのは?
最終的に、失っても得るものが
大きかったのは?
始まりと終わりで、
大した差はなかった男も、
女の「意志」をやっと理解する。

それにしても、
ラストのピアノに引っ張られる
くだりには圧倒される。
『ゾンビ』のラスト、ケンフォーリーが
やはり諦めきれずに階段登って屋上ヘリへ向かうそれにシンクロした。

全てには「意志」があり、導かれる。
自分も、そう信じている。

実際にピアノ演奏し、
台詞は皆無でも表情と動作で
全てを体現したホリーハンター。

あの恐竜に対抗できたのに
一人の女性に完膚なきまでやられる男
を熱演したサムニール。

全裸にさせたら90年代ではトップ、
良く見たら美形な歴戦の勇士のような
ハーヴェイ・カイテル。
※先日『バッドルーテナント』鑑賞

子供ならではの好奇心と正義感を
熱演した(覗きたくなるけど覗いちゃダメよ)アンナパキン。

やはり、
90年代は名作揃いだったなぁ。
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