ロック界のドラマーたちが、自身のルーツ、先人たちへの憧れ、そしてドラム愛を語っているのが好ましいドキュメンタリー映画。ボーカリストやギタリストと比べて今一つ単独で取り上げられる機会がないドラマーに焦点を当てた所がまず良い。
アイアン・メイデンのニコ・マクブレインがドラムを始めたきっかけが、ジョー・モレロだというのが興味深い。メタル界の名ドラマーはジャズがルーツでしたか。アイアン・メイデンのプログレな楽曲にも対応できる腕前にも納得。クイーンのロジャー・テイラーにレッド・ツェッペリンのことを教えたのはフレディだったという話も。今は亡きテイラー・ホーキンスの生前のインタビューも貴重ですね。
女性ドラマーについて何人も取り上げられている一方、パンフレットで鳥居真道氏が指摘されてる通り黒人ドラマーに対する言及はない。この辺りは今後の作品に期待か。
スティーヴン・パーキンス、チャド・スミス、ジェス・ボーウェン、シンディ・ブラックマン・サンタナの4人によるセッションがハイライト。互いのリズムが刺激を生み、大きなグルーヴとなっていく。リズム楽器でこれだけ魅せるのは、全員がトップクラスの実力者であるが故ですね。