【アキ・カウリスマキ・ワークス⑦】
「アキ・カウリスマキ短編8作品」のレビューもやっと7本目。
っていうか、短編のレビューなんだからさっさと書けよ！っていう(笑)
これね、あらすじを読むより実際に映像を観た方が早いわって感じ。
本当に淡々と労働者たちの日常的な様子が切り取られただけの映像なんだけど、これは今回の短編集の中では最も「カウリスマキらしさ」を感じられる作品でした。
無言で黙々と働き、そして休憩するだけの労働者たち。
たった「それだけ」の映像の中に、不思議とドラマが見えてくるんですよね。
カットの構成や照明の使い方なんかも、彼の長編映画でよく見られるような雰囲気が感じられるし、きっと彼の作品が好きな人なら、作者を知らずにこの作品を観ても「なんかカウリスマキっぽいね・・・っていうかカウリスマキじゃない？」っていうくらいにくっきり出てます（笑）
同じが画角の中に二人の人がいても、それぞれがそれぞれの思惑を持って接しているっていうのがジワリと伝わってきて、何か特別なことが起きているわけでもないのに、何だかニヤけてみてしまう。
ラスト、休憩時間にみんなで映画を観るっていう絵なんだけど・・・もしかして鋳物工場の休憩室にスクリーンがあるってこと？
だとしたら何と福利厚生の整った会社か・・まるでITベンチャー企業並みの福利厚生や～。
・・・って別なところにも感心してしまいました（笑）
楽しいんだけど、どこか労働者たちの哀愁も垣間見える4分間。
今回の短編集の中では一番好きだったかも。
