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バッド・ルーテナント/刑事とドラッグとキリスト デジタルリマスター版のプレコップのレビュー・感想・評価

4.2
冒頭で、こんな父親いやだ!と思わせる。この時点でこの映画が優れていることを感じさせる。

「ミーン・ストリート」や「レザボア・ドッグス」で苦い顔だったハーヴェイ・カイテルが大暴れの映画。卑猥で情けない堕落した刑事を演じる。映画の軸はナ・リーグの優勝決定戦で、その試合運びがLTに精神の不安定を与えるのが興味深い。特にラジオに発砲してからのパトランプ爆走は笑った。

ハイライトは懺悔のシーンで、罪の自覚がありながらそれをやめられない男のどん底っぷりは惨めに見えると同時に観ている我が身にも突きつけられる気がする。

最近鑑賞した2023年版「カラーパープル」では無償の赦しの可能性を見られたが、今作は逆。赦しの反対は明確に赦さないということでなく、見放して放置されることであることを学べる一作。

余談。本編前の予告を見て思ったけど、ラジオに発砲するのは同じくハーヴェイ・カイテル出演の「テルマ&ルイーズ」のオマージュなのかなあ、、
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