ツクヨミ

バッド・ルーテナント/刑事とドラッグとキリスト デジタルリマスター版のツクヨミのネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

女酒ドラッグ中毒のどうしようもない男が堕ちて見たものとは…
予告編やポスターにてやばそうな人クズ映画かなと思い見に行ってみた。
まず本作は家庭がありながら酒.ドラッグ.女で遊びまくりな刑事を映す作品になっており、さらにスポーツ賭博によりどんどん追い詰められていく意外なる人間ドラマだ。まあ本当に描写としてはどうしようもない男.ハーヴェイカイテル、仕事中にも関わらず酒を飲み毎晩毎朝鼻から注射からドラッグを摂取しまくり、性欲を食権乱用により満たすゴミクズを熱演しててたまげた。
そして刑事を主人公にしたことにより凄惨な事件がまた目を引く、殺人事件やシスターがレイプされるなどかなりえぐい事件が冷ややかに描写されていくヤバさよ。あと何度も挿入されるカトリック信仰要素、ハーヴェイカイテルだし"ミーンストリート"みたいに犯罪と信仰が絡まる話にもなってると感じた。
だがしかしいろいろと終わってるハーヴェイカイテル、酒女ドラッグでラリりつつ人生は進行、変な泣き描写がまた拍車をかけてやばさを増幅。終いには賭博借金で首が回らなくなり泣き崩れるところなんかこっちまで泣きそうになる、ゆっくりとスコセッシの"レイジングブル"を見ているようだったし、泣き崩れ哀れみを吐露する果てにキリストを見てしまう幻覚にとてつもないエモーショナルすら感じてしまう。本当にどうしようもない男が懺悔する様はやはり泣けるなと改めて感じた。
そしてやっとこさ改心した矢先、今までのツケを精算するが如くチンピラに銃殺されるラストのあっけなさもまた潔くて良い。ハーヴェイカイテル史上最高レベルの演技もあり、人間のクズをありのまま描き切った怪作におったまげた。
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