Ryoma

不死身ラヴァーズのRyomaのレビュー・感想・評価

不死身ラヴァーズ(2024年製作の映画)
-
設定がまず面白い。相手に好意の想いを伝えるときにまず思い浮かぶのが“好き“という言葉。そのワードを相手に伝えると消えてしまうという斬新な設定を通して、“好き“になるとは一体何なのか、“好き“という気持ちの持続性など、ラブストーリーの中にも、恋愛や結婚そして別れまでに多くの人が抱くであろうリアルな心情が詳らかに綴られていて、純粋で一途な青春と呼ばれる学生時代から酸いも甘いも数多の経験を経た成人までの過程が描かれていたことも相まって、非常に感慨深いというか情緒的な気持ちにさせられた。
また、設定自体の種を紐解いていく過程も観てて面白かった。
“好き“という気持ちはその一瞬・瞬間だけに唯一芽生える気持ち。そんな気持ちが生まれること自体が素敵なことだと感じたし、いつでもそんな自分の気持ちに正直になれるように大切に日々を生きようと感じた。
また、“好き“という気持ちがその時芽生えても、何かのきっかけやタイミングで想いが伝わらないことや、その当時互いに想い合っていても、何年後かには別れ離れ離れになってしまうことは珍しくはないのだと思う。別れた後、仕事の多忙さや時間の流れなどによって、当時一緒に過ごした思い出も忘れてしまったり、想った人のこともいつか思い出せなくなったりするものなのかもしれない。思い出すにしても、まさに松居監督の“ちょっと思い出しただけ“程度のものだと思う。だからこそ、大切な人と歩んでいける“今“を大切に生きなければと強く感じた。
Ryoma

Ryoma