「if もしも・・・」(1968)「八月の鯨」(1987)のリンゼイ・アンダーソン監督の初期作でイギリス・ニューシネマの一本。日本ではATG配給で1965年に公開。
イギリスの炭鉱町。元炭鉱夫のメイチンはプロラグビー選手となり大金を手に入れる。その金で下宿先の未亡人に沢山のプレゼントを捧げ口説くのだが、なかなか受け入れてもらえない。理由は亡夫への思いなのかそれとも。。。
ニューシネマの源となったイギリス写実主義にのっとって、孤独を埋めることができない男と女の心の機微をを冷静に描いている。恋愛悲劇で暗い話だが、映像と演出にはキレがあり一見の価値はあった。
「ロッキー」(1976)や「レイジング・ブル」(1980)等、成り上がりスポーツものの源流とも言えるし、主人公が鏡を見るシーンは「タクシー・ドライバー」(1976)を連想する。スコセッシ&シュレーダー組は本作の影響を受けていると思われる。