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猫とカナリヤ
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『猫とカナリヤ』に投稿された感想・評価

horahuki

horahukiの感想・評価

3.7
サイレント期ホラーの重要作!

大富豪の遺産を狙って集まる親族たち。開封された遺言には全財産の受取人として最も遠縁であるアナベルが指定されていた。しかし条件がひとつ。それは「精神状態が健全であること」。屋敷の中に「幽霊」がいると言うアナベルは果たして正常なのか。それとも彼女を貶めようとする親族の罠なのか…。

もしイカれてたら第二候補に全財産が渡る…という遺言内容なのだけど、それが誰かは別の封書に書かれていてまだわからない。弁護士がその封書ごと屋敷内で行方不明になり、最後の目撃者であり封書が消えることに利害のあるアナベルに疑いの目が向けられる。

更には精神病院の警備員まで屋敷にやって来て、脱走した狂人がこの屋敷で消えたと言う。狂人は屋敷の中に紛れ込んでいるのか、それとも今夜やって来た親族やアナベルの誰かがその狂人なのか…と言ったように幾重にもサスペンスを折り重ねていく脚本が面白かった。

『笑う男』で有名なパウルレニの渡米一作目らしい。そして所謂オールドダークハウスものの金字塔でもあるみたい。ルイスアレン『呪いの家』以前のハリウッド産ホラーであるため、コメディ要素が強く、ドロドロした題材の割には笑える作品だった。

死んだ富豪の親族たちへの怒りを代弁するかのように遺言を読み上げる弁護士の迫力ある演出とその中で挿入される指輪を撫でる「誰か」のカットからしてある程度の予測はつくものではあるけれど、最初の来訪者が蜘蛛の巣を掻き分けノックするシーンが時の経過と打ち捨てられた死者の尊厳を強調するため、コミカルながらも『猫とカナリヤ』の関係性が重くのしかかる。冒頭犯人目線の主観映像と対応するかのような、肖像画→屋敷の守人からの主観映像の数珠繋ぎは死んだ富豪による蔑視と怒りの眼差しでしょうね。

影が先行し人物が追随する様は欲望が一人歩きするかのようで、主人公格のアナベルとポールが共に囚われていることを印象付ける演出(檻越しの映像、ベッド下)がなされるのも面白い。そんでやっぱりにゅ〜っと伸びてくる巨大な手は他がコミカルだからこそ映えるよね。アナベルの驚きの表情に急速に寄っていくカメラとかも良かった。
ノッチ

ノッチの感想・評価

3.5
遺産を狙う親族達から狂人扱いされ死んでいった大富豪サイラス・ウェスト。

その死から20年後に遺書を開封するため親戚縁者達が集まった。

皆が息を呑む中開封された遺言状には、何と一番の遠縁であるアナベル・ウェストに財産を譲る旨が記されていた。

しかし、その相続には彼女の精神が正常であること、と条件がつけられており、やがて屋敷の中で奇怪な事件が起こり始めるのであった。

パウル・レニがアメリカに渡って監督した作品第1弾。

不気味な古城に集められた数人の男女、開封される大富豪の遺言状、謎の怪人の登場、そして殺人・・・とくると、オールド・ファッションな本格推理小説ファンにはたまらない設定だろう。

一癖も二癖もある登場人物たち。

おののく美女。

映画って、スリルと程よいユーモアとロマンスがあれば他には何もいらないんじゃないか。

内容は、いわくつきの遺産をめぐって古い屋敷に集まった相続人候補たちが巻きこまれる一夜の顛末、といったところでしょうか。

怪人は徘徊しますが、超自然現象は起こりません。

サイレントですが冗漫さや違和感がなく、テンポよく物語がすすんでいきます。

画面も驚くほど鮮明で、古屋敷の怪奇な雰囲気を熟成し、サスペンスを盛り上げます。

結末にツメの甘さはあるものの、最後まで目が離せません。

こりゃ、サイレントの傑作だと思いますよ。

落とし方もなかなか好みです。
[アナベル!後ろ、後ろ!] 70点

8年ほど前に私の中で激しいサイレント映画ブームが巻き起こった時に取りこぼして以降、万年ウォッチリストの肥やしとなっていたので、今回のサイレント映画ブームに乗じて。バカでかい城に暮らしていた富豪の老人が死に、20年後にその遺言が開封される。そこには、故人の遠縁に当たるアナベルが遺産を全て相続する旨が書かれていたが、そのために自身が狂人でないことを示す必要があった。という『犬神家の一族』とホラーハウスが融合したような作品。驚いた場面で暴れる字幕、長い廊下を歩く主観ショット、脱走した精神病院患者を追う看護師の男、カラクリだらけの城、アナベルを襲う悪魔の手、など楽しい演出/設定がてんこ盛りで良い。しかし、親戚たちがアナベルの命を狙う…という展開にはならず、臆病な従兄弟ポールや嫌味だけ言ってくるスーザン叔母さんなど、遺産問題そっちのけでホラーハウスにビビり散らかす面々を眺めるのは最早ギャグの域。スーザン叔母さんはビビリ過ぎて古城から猛ダッシュで逃げ出す始末。

就寝中にダイヤのネックレスを奪われたアナベルが、それに気付いて叫ぶシーンが超お気に入りだが、その顔は『ギムリ・ホスピタル』の青年に似ている気がする。流石はガイ・マディンと言ったところか。ちなみに、レニは本作品の人気に乗じて同じようなテイストの『最後の警告』を作らされ、急逝によってそれが遺作となってしまった。また、『魔神ドラキュラ』にいくつかの小物が流用されているらしいが、個人的には同作のほうが面白いと思う。

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