レオン

ポップスが最高に輝いた夜のレオンのレビュー・感想・評価

ポップスが最高に輝いた夜(2024年製作の映画)
4.5
ネトフリ最新音楽ドキュメンタリー  (★平均4.2  ネトフリ見放題)
奇跡の曲は "奇跡の様に"作られた。 「we are the world」この曲を知っている方は見るべし!  知らない方はyoutubeで最低5回は聞いて、サビを一緒に歌えるようになってから見るべし!
https://www.youtube.com/watch?v=9AjkUyX0rVw

音楽ファンなら何度聞いたか分からないぐらいの名曲だが、あれだけのメンバー(総勢45名)をどうやって一カ所に集めたのだろうと、いつも思っていた。
なんと、American Music Awards(アメリカ国内のグラミー賞級イベント)の終了後に、皆集合していたのだ! 

世界中を飛び回っているスターにそれぞれ都合を伺っていたら、恐らく永遠に日程は決まらない。 それなら既に集まる予定の日にやってしまおうと大音楽イベント当日に決まったのだ。

提唱者はハリー・ベラフォンテ。 失礼だが私は「バナナ・ボート」の一発屋ぐらいに認識していて、なぜ彼がこの大スター軍団に入っているのか不思議だった。 が彼は、人権問題など政治活動も尽力していたようで、UKのBAND AIDでは、白人がアフリカの為に活動したのに、アフリカ飢餓救済になぜ黒人が動かないんだ!との思いで、US版のバンドエイドを提唱したようだ。

そして、クインシー、ライオネル、マイケルらのメンバーが中心になり、顔の広い彼らが、白人アーチストにも賛同を呼びかけ実現する。

ライオネル、スプリングスティーン、ヒューイ、他の数人は現在の姿で、過去を振り返り、途中何度かコメントしている。(ライオネルのマイケルと曲作り中のコメントは笑えるエピソードも多数♪)

驚くのはライオネルは、AMアワード当日、司会をして、2曲も歌って、自ら6部門も受賞している。 その終了後にレコーディングに赴いているのだ! 普通そんな大イベントでそれだけ活躍すれば、精神的にもヘトへトになっていたはず。

マイケル、ライオネルという天才作曲家が曲を作り、
クインシーという凄腕プロデューサーが、制作・進行を担当し、敏腕エンジニアが呼ばれ、
超一流ボーカル・アレンジャーが、どのパートが誰が歌うかを熟考し、
撮影やライティングスタッフまで一流が集められた。
(たった一日のレコーディングに機材搬入スタッフ等も含めると、総勢150名!)

その作曲の猶予期間にも驚いた。(見て下さい♪)
そして驚くなかれ、アワード当日のその一晩で全てをレコーディングしたのである!
(後に、3人のソロパートにみ追加レコーディングをした模様)

レコーディングシーンに入ると、もう一瞬も目が離せないシーンの連続。
これだけの大スター達が一堂に会しているシーンは恐らく、これ以後見れないだろう。

そのレコーディングの時間経過を見れば、皆さすがのプロ根性と言わざるを得ない。 
詳細シーンは是非見て下さい。

後半のソロパートレコーディングで一際耳に残るシンディーのパートは、
彼女の後のキム・カーンズがフレーズ的に少し弱く、クインシーらの即時アイデアで3人ハーモニーに変更され、3回目のテイクであの爆発的なシャウトが入り、OKとなった。 見てる方も目が潤んだ・・。

そしてレコーディングが終了して、皆極度の疲労で帰途につく中、ダイアナ・ロスが帰ろうとせず、涙ぐんでいる。
そして彼女が語った言葉にまた、こっちも目が潤む・・。
あのポップの女王でさえ、そんな経験をした事なく、その場を去るのが名残り惜しかったのだ・・・。

尚、この曲は現在も収益していて、アフリカに届けられているそうだ。
必見!

PS
この曲でアフリカ救済機運が高まり、同年夏の
世紀の大イベント(イギリス・アメリカの同時開催ライブ中継)の「LIVE AID」 に繋がる。

↓ 「we are the world」歌の順

ライオネル・リッチー、
スティーヴィー・ワンダー、
ポール・サイモン
ケニー・ロジャース、
ジェームス・イングラム、
ティナ・ターナー、
ビリー・ジョエル
マイケル・ジャクソン、
ダイアナ・ロス
ディオンヌ・ワーウィック、
ウィリー・ネルソン、
アル・ジャロウ
ブルース・スプリングスティーン、
ケニー・ロギンス、
スティーヴ・ペリー、
ダリル・ホール
マイケル・ジャクソン、
ヒューイ・ルイス、
シンディ・ローパー、
キム・カーンズ
全員コーラス
ボブ・ディラン
全員コーラス
レイ・チャールズ
スティーヴィー・ワンダー
ブルース・スプリングスティーン
全員コーラス
ジェームス・イングラム
レイ・チャールズ
レオン

レオン