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ポップスが最高に輝いた夜のTPのレビュー・感想・評価

ポップスが最高に輝いた夜(2024年製作の映画)
3.0
 1985年は私が最も深く洋楽に嵌まっていた時期にあたり、当時これだけのスーパースターが一堂に会しただけでもテンションMAXの事態であり、忘れえぬ記憶となっている。
 当然のことながら今でさえカラオケでのフィナーレにこの曲を選ぶことは多い。

 本プロジェクトの映像は数多くyoutubeなどにアップされており、本作よりもより多くの歌っているシーンが観られて、本作に特に目新しいところは少ない。
 そのため、どうしても存在意義が、「この時代に再整理してきちんと保管できる体にしました」にしかないと感じてしまうので評価は平凡になってしまう。

 しかし、50分程度が時系列に並べられていることで今回初めて分かったのは、生粋のロックン・ローラーで無骨なイメージのあるブルース・スプリングスティーンがフレンドリーでナイスガイであること(ヒューイ・ルイスは見かけ通りのナイスガイ!)、ボブ・デュランが慣れない環境で、コミュニケーションが苦手な中、何とか頑張ろうという意識を持ち続けているといった雰囲気が感じられること。
 また、デュランの独特のイントネーションが何とスティーヴィー・ワンダーの案であったこと!
 当時ヒット曲がなかったハリー・ベラホンテがなぜ出演しているか、も初めて認識した。

 正直、今作の存在意義はあるのかという感はぬぐえないが、「We are the World」はまさに宝石の玉手箱であり、ロック、ポップス、ソウル、フォーク、カントリーの垣根を超えて、この時代の頂点にいたアーティストたちが一堂に会したという奇跡はもう多分二度と起こりえないだろうし、ライオネル・リッチーとマイケル・ジャクソンが作ったメロディの美しさは時代を超えて永遠だと改めて思う。
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