MasahideYoshida

ポップスが最高に輝いた夜のMasahideYoshidaのレビュー・感想・評価

ポップスが最高に輝いた夜(2024年製作の映画)
3.7
2024年配信
監督 : バオ・グエン
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1985年、アフリカの飢餓を救うため、オールスターな歌手を集めてレコーディングに挑んだ「We are the world」の舞台裏のドキュメンタリー。

大きなことを成功させるためにはやっぱり「コンセプト」と「プロマネ」が命なんだなと痛感。前者が「立ち上がりの高度」を作り、後者が「いかに急降下を起こさずに遠くまで飛べるか」を作る。途中でいろんな、悶着が起こる様がありありと撮られているんだけど、プロデューサーたちに本当に頭が下がる。わがままなスターたちが、思いつきで全体観を知らずに言動するのを、御して御して、制約内にことを収める様たるや。

あとやはり、「アフリカを貧困と飢餓から救う」というビジョンのもと、「音楽で世界をよくする」というコンセプトを掲げられると、ミュージシャンとしてはぐうの音も出ないわけで、無理を通して人が動くコンセプトの力もやっぱり大事。

そういう意味で「最初の高度」と「航行中の安定」。どちらも必須だと改めえ感じた90分。なんだか見ていて、ハラハラするので疲れる映画です。