こういう映画で溶かせる夜があることは幸せ
金曜日の夜もしくは長い長い夏の夜はこの映画と共に溶けていって欲しい
溶かして酔う。夜にだけゆるされる行為
夜が明けるまでの話
起きているのは理由があるから
どうしようもなく明るい世界では生きていけない未熟者たちに与えられた日が昇るまでのちょっとの時間を
廃頽的で情けなくて刹那だけど恍惚としたどうしても追いかけてしまう鈍い光がそこにはある。
苦しさと悲しみともに青春に似た輝きがある
話としてはクソだけど、テーマ曲が流れるたび、テーマ曲のシーンの度にこういう時間を追体験するために映画に縋っていると感じる。
あの時間について形容することは難しい
林強の曲
声はちょっと尾崎豊に似ている
明日なんか知らなくて今日だって忘れられてただいまを生きているだけの夜が明けた明け方の時間のような
時間が経ってから思い出すだろうなと思う夜
それを思い出している女の映画
冒頭のカットだけでこの映画を見た意味がある
どうしようもないし不甲斐ない
でも
天真爛漫で自由
そのアンバランスで強い彼女を追いかけ続ける
クソみたいなDV男、そこから逃げない女、外れていく道から逃れようとしない2人
あの子達だけの責任じゃないけど、
ゴミゴミした部屋、暗い照明、イメージビデオなカット
ズームでゆっくりと動くパン
撮り方がカッコいい
言葉は少なくひたすら動きを見ていく
映像の美しさ、映画的である
映画的とはどうゆうことか
わからないけど、映画でしか見れないショット
たゆまない時間
話はわからないけど永遠に見ていられる
観ていることに自覚的になりながら観ていた。そこに物語への没入はない。観ている自分と意識はちょっと乖離している
観ている自分を見ている自分の意識的な。それが心地いい。映像が心地いい。
ちょっと今夜はブギーバックみたいな。
タバコを吸ってる女の話はだいたい好き