銀のしずく

スターリンへの贈り物の銀のしずくのレビュー・感想・評価

スターリンへの贈り物(2008年製作の映画)
5.0
 過酷な社会で温かく生きる人々をほのぼのと描いた物語かと思ったら、そんなものではなかった。

 戦前にはウクライナに匹敵するような飢餓に(政策的に)襲われ、戦中戦後はソ連全土からさまざまな民族・宗教の人々が強制移住させられ、核実験場ともされたカザフスタン。

 この作品のすごさは、単に民族・宗教を越えて平和共存するといったありがちなものではなく、各自が己の信じる神に祈ることで「神の違い」を越えて平和に生きていけるという道を示していたことだ。16年前の作品だが、ガザで戦争が行われている今、ラストシーンでは涙が出てきた。