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戦雲 いくさふむのごーのレビュー・感想・評価

戦雲 いくさふむ(2024年製作の映画)
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中国の脅威を理由に急速に自衛隊基地の拡充が進む南西諸島の現状を撮ったドキュメンタリー。

沖縄本島の米軍基地の構造に酷似しているが違うのは相手が米軍ではなく日本の自衛隊だと言うこと。本島と同じように工事車両の搬入を阻止するための活動が行われる。
若い人達を中心に基地の是非を問う住民投票の実施を訴えた署名活動が行われ、見事に必要数が集まった。しかし地元の市長や議会などはそれを無視し基地を受け入れる。
当初は島の住民を守るための兵隊のみと言うはずだったが、いつの間にか攻撃的兵器である巡航ミサイルが配備されることとなる。
印象的なのは反対活動に熱心な女性3人。娘と共に工事車両の搬入に抵抗する母親、入港する日米の軍艦に反対の声を上げるお婆、反対活動から市議会選に出馬し見事議員となった女性。男性よりも母となる女性の方が未来への憂いが強いのだろうか。

基地反対の活動だけではなく、実は基地容認派である漁師のお爺さんや、ハーリーと呼ばれる船の競争に打ち込む人達、それに参加する自衛隊員とその子供など、島の人々の生活も映される。

第1列島線を突破しようとする中国海軍に対して、南西諸島を軍事基地化したいと言う言い分も理解できる。しかしながら地元の意向を無視した強引な行政はやはり看過することができない。
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