ゲイリー冨久津

オーメン:ザ・ファーストのゲイリー冨久津のレビュー・感想・評価

オーメン:ザ・ファースト(2024年製作の映画)
3.0
1976年公開の名作ホラー「オーメン」の前日譚。
本作が長編デビュー作となるアルカシャ・スティーブンソン監督がメガホンをとった。

「オーメン」って、煮出したら味がまだ出るんじゃね?って思って企画して、この規模なら最低限ペイ出来ると思うし「オーメン」煮出してみるべ。で、作られた映画。
といった印象。

事前に大きな期待はしていませんでした。

と、言いながら本家「オーメン」は幼少期に観たままで、そんなに理解してなかったんで、この機会に観なおしました。

結果として、
正直、観てなくても問題無いと思います。
「オーメン」、「ダミアン」、「666」
これらの意味合いがなんとなく分かっていたらOK。

映画としては、変に筋を通したお話しにしちゃったもんで、中途半端というか面白味が少ないという印象。
女性の連帯的な要素も弱い。

なぜ悪魔の子を作り出したのか?の理由が理解できるけど、なんかショボい。
ショボいので、元祖「オーメン」のキリスト教的な荘厳さも半減している。

現実の方がもっとエゲツない事を裏でやってるんでしょ。って思ってしまう。(陰謀論的思考です💦)
映画なら、もっと派手になんかパッとこうワッと思い切ってグァッと出来んかなぁと残念に思いました。

まず、どっから「ダミアン」が登場するのかが、序盤でなんとなく分かる。
ミスリードしない。
だから終盤で、ドヤっ!な展開も、こちらの反応は素。

ホラー的にもビックリなジャンプスケアはただ驚かせるだけで、ちょっとムカつくし、殺戮の場面もグロさやオマージュはありつつも、新しさや驚きが無い。

だから、ホラー的面白さも無い。

とはいえ、初代「オーメン」もキリスト教文化でなければ、怖さがイマイチ分からない印象で、ストーリーも今観ると変な所まみれです。
ですが、記憶に残る殺戮シーンやストーリーの変な所をツッコんで楽しめるという点で魅力のある映画。良作でした。

この映画での楽しかった所は、

タバコを吸いながらトランポリンを飛んで楽しんでいる、おばちゃん修道女のファンキーな振舞い。

終盤の主人公のトランスしている熱演が、「ワンワンワン」な感じで非常に可哀想な演出になっており、違う意味で面白さを醸していた所。(主演の人は可哀想)

思い出せる範囲で以上です。

今週は魅力的な映画がたくさん公開されているので、今作は後回しでもいいかもしれません。

と言いつつ、期待していないといって予習する自分。

今週公開映画の初っ端で「オーメン:ザ・ファースト」を選んだ自分。

「オーメン」って、まだ味があるんじゃね?
って思っていた人間の1人でした…。
ゲイリー冨久津

ゲイリー冨久津