じろともトン

オーメン:ザ・ファーストのじろともトンのレビュー・感想・評価

オーメン:ザ・ファースト(2024年製作の映画)
5.0
◯ #アルカシャスティーブンソン 監督「 #オーメンザファースト 」
◯ #ネルタイガーフリー 主演
◯予告編などを観ていて、また名作ホラーに手を出すのか、と思ってホラーファンとして不安なぶん観に行くのもホラーファン。
◯こんなにも70年代的な、撮影、演出、ロケ撮影、をしっかり映画の軸にしたホラー作品を久しぶりに観た気がした、のが最初に本編を観た時の余韻。
◯本編を観ると、長編初監督ながら、女性監督ならではの描き方で、芯の強い主人公ヒロインを演じる、ネル・タイガー・フリーを美しさと強さ、演技で成り立つ恐れをしっかり撮る作品に、これは力作だと感じた。
◯オリジナルの1作目はテレビ作品の演出や映画作品の演出など堅実な演出でその後もジャンルレスな作品を撮る名監督 #リチャードドナー 監督の代表作。
◯ #ジェリーゴールドスミス の音楽も本格的な合唱曲、不穏な弦楽、合唱、パーカッションなどが非凡な音楽でアカデミー作曲賞受賞。
◯今回は1作目の前日譚。1作目の主人公 #グレゴリーペック (当時キャリア的に落ち目で低予算であった1作目に主演。それでも彼が出演する事で1作目がしっかりした後々語られるオカルト映画になった確かなキャスティング)に起こる出来事の前の話。
◯冒頭、1作目を感じさせるある事が起きる。その時のキャスティングも渋い。
◯ローマに主人公のネルタイガーフリー演じるマーガレットがアメリカからやって来る。
慣れない土地に戸惑いながら、芯の強そうなマーガレットは教会での奉仕活動を始めようとしていた。
◯ロケーション、撮影、美術、音楽、人の撮り方など、70年代のフィルム撮影の様な映像のルックにまず魅入る。
◯そして、俳優陣、特に女優陣の熱演が、どの役もスゴい。無表情なじっと観るだけで不穏さを出すベテランの修道院長など、皆が表情だけで不穏さを出す演技と演出の距離感が良い。
◯主人公のマーガレットはアメリカの子供時代に何かがあったのを恩師によって立ち直り、ローマに来た。
◯幼い女の子たちの住む修道院の中で、1人部屋で孤立している女の子がいたり、主人公の周りの人たちの撮り方も独特の視点、距離感。
◯最近あまりに多くなった、ジェームズ・ワン様な演出力のしっかりした上手い監督でないと上手く機能しない「ジャンプスケア」演出がこの映画にはない。
◯70年代的な映画の雰囲気と共に、自分が思い出したのが、#エイドリアンライン 監督「 #ジェイゴブスラダー 」や #アランパーカー 監督「 #エンゼルハート 」の様な映像派でもある監督のイメージの積み重ねで、不穏さを積み重ねていく演出。
◯「オーメン・ザ・ファースト」は、女性監督アルカシャ・スティーブンソン監督の(元ジャーナリストなどの経歴があるそう)の演出と、
◯主人公の現在24歳のネル・タイガー・フリーの熱演など見どころの多い力作。
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