かじドゥンドゥン

オーメン:ザ・ファーストのかじドゥンドゥンのレビュー・感想・評価

オーメン:ザ・ファースト(2024年製作の映画)
3.4
1971年―学生の反権力闘争が激化し、宗教権力も失墜しつつある時代。カトリック教会の一派は、地獄への恐怖だけではもはや民衆を支配できないと考え、新たな恐怖、つまり「反キリスト」の誕生をひそかに準備していた。

アメリカからローマの修道院へやってきて、神に身を捧げることになったマーガレットは、修道院内で代々、獣と人間との間に産み落とされた女児(6月6日の6時に産まれ、体のどこかに「666」のあざがある)を再び獣と交わらせて、「反キリスト」となるべき男児を誕生させようと試みられていることを知る。秘蔵のカルテを見る限り、近親相姦ゆえに奇形児の誕生や死産が続いたようだが、現在修道院で育てられているカルリータは順調に育っており、そろそろ獣との交配が強制されてもおかしくない年頃。恐るべき事実を知ったマーガレットは、事情をよく知る神父と協働して、カルリータを救出しようとするが、そのさなかに明らかになるのは、マーガレット自身も666のアザを持つ者であり、ルームメイトに唆されて羽目を外し泥酔した一夜に、まんまと獣の子を宿してしまったということだった。

結局、マーガレットは修道院関係者に拘束され、双子を出産。「反キリスト」になるであろう男児を自らの手で殺めようとするが、我が子に手を下すことはできず、奪い返される。そしてマーガレットは、獣と女児とともに、教会ごと焼かれる。

カルリータによって炎の中から救出されたマーガレットは、女児とカルリータとともに、山小屋でひっそりと暮らす。しかし彼女たちの生存はばれていて、追っ手が来るのも時間の問題。他方、マーガレットが産み落とした男児は「ダミアン」と名づけられ、新任の駐ローマ米大使の子とすり替えられるよう巧みに画策されている・・・。悪魔の子が政治権力の中枢に達する日も遠くはない。