松田

オーメン:ザ・ファーストの松田のレビュー・感想・評価

オーメン:ザ・ファースト(2024年製作の映画)
4.4
醜悪過ぎて秀逸過ぎる!!!!
信じ難いほどに邪悪な内容、現実かと錯覚する程の生々しさが恐ろしい映画を産み堕とした…!!!!

まずストーリーに絶句した。
最初から徐々に不穏さを増していく展開が続く。
そして信じられないような恐ろしい事実に辿り着く時、その不穏さの正体が全て明らかになるのだが…その時の恐怖も凄いが、恐ろしい事はまだあった。
この映画は舞台となる当時のローマの情勢が取り入れられていて、そこにも繋がる事情が生々しくて現実味を帯びていた。
そう考えると映画の中で恐ろしい事が起きたのではなく、現実でも恐ろしい事が行われていた…という様にも考えられる。
さらに映画の内容と多少違っても恐ろしい出来事は起きている?…という所にまで辿り着く気がして恐怖が映画の枠をはみ出していた。
この恐ろしさは、今作を鑑賞して白日の元に晒した方が良いかもしれない。

そんな現実的に錯覚してしまえる程の内容に対して、映画である事を利用した演出面も凄まじかった。
シリーズ化されたホラーだけあってジャンプスケアらしいシーンがあるのだが、音も映像も全く既視感の無いものばかりだった…!
自分が元々ビビりなのでジャンプスケアが苦手で…ただ吃驚して心臓に悪くて不快に感じる様な事が多かった。
ただこの映画ではよくみるようなパターン化されたモノが無く、音もタイミングも絶妙なモノがいくつも観られたように感じる。
この辺りは監督の意地とセンスなのか、恐怖と感動を覚えた!
そんな"映画である部分"もかなりの完成度だったと思う。

オーメンは名前は知っていたが、今作で初めて触れる作品だった。
大体こういう時は先にシリーズみてから鑑賞する事が多かったのだが、折角なので逆パターンもやってみよと思って鑑賞した。
実話モノやドキュメンタリーじゃなくて過去の名作の前日譚のハズなのに、それでも現実かと思う様な恐怖があった。
そうかと思えば、こんな凄い演出やっぱ映画だよね?…という、ある意味安心が少し混ざった不安を覚えた。
こんな映画の後に一体どんな恐ろしい事が起きるのか…その後の世界から目が離せない。
松田

松田