TAK44マグナム

クリーチャーのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

クリーチャー(1985年製作の映画)
3.5
短評です。


土星の衛星タイタンで20万年前の遺跡が発見され、地球を二分する会社が我先にとその権利を得ようとタイタンを訪れるが、そこには恐るべき人食い怪物がいた・・・という、「エイリアン」を真面目に真似た佳作。

異星人が様々な惑星で採取した生物の中に獰猛なクリーチャーがいて、地球人が来たのを期に復活。
クリーチャーが殺した人間を操る能力を持つのが「エイリアン」には無い新味。
ロバート・A・ハインラインの小説「人形つかい」の様です。
もしくはジョジョのDIOが使う肉の芽か。
操られた人間(死体)による、ゾンビの様なグロゴアも楽しめます。
顔面がベリっと剥がされるシーンが一番の見どころでしょうか。

監督さんが大のSFやホラーファンらしく、随所に色々な作品のオマージュが散りばめられています。
一番分かりやすいのは「遊星よりの物体X」を丸々パクったシーン。
なんとかクリーチャーを退治しようと罠を仕掛けますが、これがまたソックリ。
宇宙ニンジンを倒す映画からヒントを得るんですが、その宇宙ニンジンが気になりました(Twitterのフォロワーさんよりの情報で、どうやら「宇宙家族ロビンソン」に出てくるらしいです)。

クリーチャーのデザインは、少しずんぐりむっくりな所謂ひとつの怪獣タイプ。
CGではない実在感はあっても、なかなか全体像をはっきりと見せてくれません。
クライマックスでは少しクトゥルフ神話の入ったウルトラマンの怪獣のような姿を拝ませてくれますが、既に「遊星からの物体X」が公開後なのに些かか平凡なデザインと言わざるおえません。
もっと奇抜な方が、強烈な個性を発揮できたような気がするのに。
あんまり動かないしね(汗)


前半は少しかったるいところもありますが、実の娘であるナスターシャ・キンスキーが「ろくでもない父親」と回顧した怪優クラウス・キンスキーが登場してからが真骨頂。
怪しさ爆発で面白くなってきます。
古き良き空想SF宇宙映画として、はずせない一作かもしれませんし、全然どうでもよい忘れられた一作かもしれません。
それは観た方、各々次第・・・?


某動画サイトにて