ねーね

セレブリティのねーねのレビュー・感想・評価

セレブリティ(1998年製作の映画)
4.2
ウディ・アレンって本当にずっとウディ・アレンだわ。
女大好き、芸能界大好き、振り回されちゃう自分が可哀想、でもそんな哀れな自分がいちばん可愛くて仕方ないの。
相変わらずのブッ飛び会話劇の応酬が、私にはとにかく心地よい。
このしょうもないリアルさこそ、ウディ・アレンの醍醐味である。

きらびやかなセレブリティたちの仲間に入りたくて仕方ないリーと、
彼の女癖の悪さで離婚を強いられたロビン、の元夫婦ふたり。
どんどん自ら墓穴を掘って下り坂人生を突き進むリー、
他責思考で自己愛型の性格のクズさはどんぐりの背比べ感があるが、それを「運」でカバーし、愛も仕事も勝ち取った女、ロビン。
まあ、なんというか、「自業自得」とはこのことというか、運というより普段の行いの差なんじゃないかと。

自己肯定感が高すぎて周りが見えなくなっちゃうタイプ、いるじゃないですか。
リーはまさにそれ。
実生活だったら絶対友達やめてるレベルで空気の読めないリーの鬱陶しさ具合がとにかく…ウザい。笑
ケネス・ブラナー、これぞ演技力のたまものというか、よくこんなにも聞く人をイライラさせる話し方ができるなと感嘆してしまった。
ロビンもそれなりだけど、少なくとも相手のことを考えられる脳みそがあるし、リーは基本自分のことしか考えて生きていないから、こうなるのも順当というか。
十分痛い目を見たのだし、もうあきらめて静かに大人しく生きていってほしい。

しかしまあ、若かりし頃のシャーリーズ・セロン、ウィノナ・ライダー、レオナルド・ディカプリオのお三方の美しさ加減には度肝を抜かれた。
目に見えないはずの「オーラ」ってものが光り輝いていたように見えた。
レオも超ちょい役だし、ヤク中のDV野郎で全然可愛くないオトコなんだけど、ビジュアルが良すぎてすべて許せてしまうから、「人間は外見が10割」ってあながち嘘でもないよなと思う私でした。

ウディ・アレン、一生このドタバタやっててほしいわあ。
もうどうしようもなくなったリーが、情けない瞳で見上げるラストシーンの「HELP」が、彼の心情そのものすぎて最後の最後で吹き出してしまった。
君は心を改めて幸せになってくれ。

そういえば、最後のほうでサラッとトランプ出てきてたのは笑ったな。
ねーね

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