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ザ・タワー
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目次

ザ・タワーの作品紹介

ザ・タワーのあらすじ

様々な人種が住むフランスの団地。アシタンはある朝目覚めると、窓の外が“闇”で覆われていることに気が付く。その“闇”に物を投げ入れると物体は消滅し、体が触れるとその部分が鋭利な刃物で切られたように消えてなくなってしまう。テレビやラジオの電波は途切れ、携帯電話も圏外となっているが、なぜか電気と水道は使用可能だ。原因不明の“闇”のせいで、建物の中に足止めされる団地の住民たち。外の世界と遮断され閉じ込められたままの彼らは、知り合いや人種ごとの小さなグループを形成していく。徐々に正気を失っていく彼らの間に争いごとが起こり始める中、彼らが選んだ“生きるため”の方法とは!?

ザ・タワーの監督

ザ・タワーの出演者

原題
La tour/Lockdown Tower
公式サイト
https://klockworx.com/movies/17897/
製作年
2022年
製作国
フランス
上映時間
89分
ジャンル
ホラーファンタジー
配給会社
クロックワークス

『ザ・タワー』に投稿された感想・評価

netfilms

netfilmsの感想・評価

3.2
 予告編を観た時点では、J・G・バラードの傑作SF小説『ハイ・ライズ』と今年のイスラム映画祭で再見し、改めて傑作だと思ったマチュー・カソヴィッツの『憎しみ』を足して2で割ったような物語だと思ったのだが、その斜め上行く陰惨な展開に肝を冷やす。これは一言で言って暗い作品だ。様々な人種が住むフランスの団地。アシタンはある朝目覚めると、窓の外が漆黒の黒(闇)で覆われていることに気付く。いかにも低予算映画が考えつきそうな終末論が今作を覆う。その「闇」に物を投げ入れると物体は消滅し、体が触れるとその部分が鋭利な刃物で切られたように消えてなくなってしまう。何を言っているかわからないと思うじゃないですか。然しながら闇は今作では正に鋭利な刃物で、人の身体を中途半端に投げれば中途半端なサイズに真っ二つに切り取られてしまうのだ。テレビやラジオの電波は途切れ、携帯電話も圏外となっているが、なぜか電気と水道は使用可能だ。 数ヶ月前の韓国映画で、イ・ビョンホンの『コンクリート・ユートピア』という映画あったが、今作の世界観はかなり似通っている。

 原因不明の「闇」のせいで、建物の中に足止めされる団地の住民たち。外の世界と遮断され閉じ込められたままの彼らは、知り合いや人種ごとの小さなグループを形成していく。徐々に正気を失っていく彼らの間に争いごとが起こり始める中、各々がイデオロギーではなく、人種ごとに結び付いて行く有り様が心底胸糞悪い。心なしか同じフランス産の『リンダはチキンがたべたい!』や『憎しみ』同様に今作も貧民たちの公営住宅が対象になるのだが、屋上のような開放感のある空間は絶対に登場せず、ある意味閉所恐怖症に陥るような壁の中の陰惨な描写だけで物語を紡ごうとするから最悪だが、トランプ辺りは今作をこれぞリアルとしてワンチャン支持する可能性もあると見た。とにかく人種や宗教での差別や分断が中盤から物語を跋扈して行く。主人公のようで主人公ではないイスラム系の女性はジョン・カサヴェテスの『グロリア』のような命の危険を感じた時点で、類まれなる母性を発揮するかに見えて、フランス独立系の映画はハリウッド的な門切り型のハッピー・エンドに物語を導くのではなく、グローバル資本主義による問題提起だけを我々に投げ掛けてくる。結局、何年経とうが周囲の状況が解決しないのもひたすら胸糞が悪い。
JIZE

JIZEの感想・評価

3.0
フランスのある団地を舞台にものを投げ入れれば消滅し触れればその部分が刃物で切られたような状態で消失する闇に覆われた団地から出られなくなった住民たちが次第に追い詰められ正気を失っていくさまを描きだす。仏製不条理SFスリラー。まずまるでM・ナイト・シャマランが仕掛けたかの大味な舞台建てと大風呂敷のギミックである。不特定多数の人間たちが一定のルールで縛られた世界で右往左往する不条理な内容ではあり、文字どおり早々にエスケープしたくなる。また設定以外で冗長な部分がおおくて、ストーリーは決して万人が楽しめるものではない。ある閉ざされた世界観で何を糧にその世界に立ち向かうか、を考えさせられる割とロジカルな作品だった。
【REVIEW】
外に出られず、視界に入るのは何もない真っ黒。外に出ようとすれば痛い目に遭うが、閉じ込められたフラストレーションの中で人種やジェンダーなどの属性の違いによる攻撃性が増して心が荒んでいく。
その口撃・暴力に意味や正当性などなく、ただフラストレーションのはけ口が「自分と違う人」に向かうというだけの単純明快かつ愚かな構図。
苛立ちと暴力が覇権を握る世界に、弱者の居場所はなく、小さなディストピアが渦巻いていく。

これはまさにパンデミック時代の人々の嫌な変化を表したような映画で、小規模ながらコンセプトで爪痕を残す1作だった。

ただ、フランス映画が一番好きな自分でも思うのは、やっぱりパニックSF系に関してはフランスは弱いな…ということ。
フランス映画らしい単調な無機質さが今作は裏目に出ているような気がする。この類のSFパニックには、北欧ホラースタイルのシュールな底意地の悪さや、『ミスト』のようなハリウッドスタイルの豪快な衝突が欲しくなってしまう。

正直、何かしらあと一歩だけほしい刺激が足りなかった印象は否めない。

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観た回数:1回
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【星つけた際の"個人的"評価・好み】
※作品のウリじゃなさそうな部分、判断しにくい部分は「-」
総合点59pt/100pt 星換算★★★3.0

95=スタンディングオベーション/90=大拍手/80=最高!/70=すごい!/60=良い/50=不足なし/40=あと一歩欲しい/30=うーん/20=さすがにちょっと/10=Z級

《配点》
★好み(主観によるただの好み・印象の強さ)
 65pt/100pt
★監督(コンセプト・元ネタ選定・主題・固有演出)
 64pt/100pt
★脚本(設定・起承転結・言葉・脚本でのテンポ)
 57pt/100pt
★撮影(構図・カメラワーク・撮影での映像美)
 60pt/100pt
★演技(演技力・役作り・演技のインパクト)
 55pt/100pt
★編集(カット・編集でのテンポ・音ハメ)
 59pt/100pt
★音響(録音・音響)
 58pt/100pt
★音楽(サントラ・歌曲)
 50pt/100pt
★美術(キャラデザ・衣装&メイク・セット)
 65pt/100pt
★配役(キャスティング)
 56pt/100pt
★VFX(VFXのクオリティ・VFXでの映像美)
 60pt/100pt

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