ソビエト史上最凶の連続殺人鬼を捕まえる、サイコスリラー。
“陰鬱"
観ている間、この言葉が頭から離れない…
いきなり怖い場面だったので、(うわあ、観る映画間違えたなあー、やばい、怖い、どうしよう…)と怯える。
怖い映画見慣れてる方なら大丈夫だと思います。私が気が小さいだけで…
連続殺人鬼を追うストーリーなんだから当たり前ですよね。
時系列が行ったり来たりしますが、年代がダイヤルのように表示してくれるので集中して観てればわかる親切設計。
そして章立ても。
章立ての後ろの映像が不気味…
"血"や"遺体"や"痛み"などの陰惨さ、そして場面の暗さ。
明るい、観客がホッと息つける場面が少ないので気持ちも落ち込んでくる。
が、時系列が上手いのでどんなふうに話しが展開していくのか途中から怖さにも慣れてストーリーを追うようになっていった。
殺人鬼に対する被害者の反応、容疑者への拷問、上からの圧力。
ソビエト連邦の社会の仕組みも感じさせて
時系列の妙だけでなく、そういう部分も大変興味深い。
"シリアルキラー"という物の描き方に虐待、社会情勢も上手く盛り込まれてこちらもかなり興味深い。
精神科医はあれでいいのか?わざとあんな見た目なの?
ここはよくわからなかったなあ。
終始暗くて"陰鬱"でしたが、よく練られた脚本だし、登場人物の心情もよく捉えている。
虐待や社会の暗さ、人間の”揺らぎ”を描いていてただの伏線回収サイコスリラーではなかった。
正義とは…?
人間とは…?
どこが違うのだろう?
とても陰鬱だけど、哀しかった。
地味だけどとても引き込まれる、秀作だと思います。
ただ、見終わってかなりの疲労感……
疲れたー