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米寿の伝言のニューランドのレビュー・感想・評価

米寿の伝言(2023年製作の映画)
3.4
✔️🔸『米寿の伝言』(3.4) 及び🔸『エイジ·オブ·エターナル』(3.4)▶️▶️

チラシを観るに無料催しのようなので、初めて聞いたアマ系映画祭で、1日を潰すのもと、目覚めたのが12時過ぎで支度して向かうが、結構なロードショー並み料金が会場に着いて初めて明示してあった。近めも余り来る事のない大宮をUターンも味気ないので、取り敢えず1番組。結果は悪くはないが、いいとも積極的に言えないクラスで、2本で5~600円が妥当か。
1本は如何にもちとウィットやSF仕掛けの効いたシャープコメディの、まさに小劇場そのもの風で、映画的手応えはないが、それでも懸命にしゃしゃり出ない形で映画特有微妙味を載せている。が、突き破りは出来ず、大人しい。細野文彦の名作漫画『どっきりドクター』のような見た目、ちゃちな発明が、世界を変えかねない内的スケールと、人情と倫理の揺らぎから落ち着きへ、の題材だが、勿論及ぶべくもない。
もう1本は、少年期の輝きと因果をバネに、お笑い芸人を続けてく男の沈殿と屈折の日々をえがくが、ルックが敢えてくすませ抑えたアルトマン風と、『レイジング·ブル』と同じ初終の楽屋大鏡に対す主人公とその少年期回想絡みの構造を持つ。
『米寿~』は、発明狂も愛すべき祖父米寿の祝いの集まりの日が、その侭葬儀に転じるが、遺志を継ぐ末孫とセットし合ってた、人格移動装置が稼働、生者と死者の中身が入れ替わる。翌日火葬迄に戻すべく、数人の孫たちは周囲に隠して奮闘。祖父が元いた大学研究室に、一部故障人格移動装置の復旧を求めるも、人類の為にはこの侭、天才の祖父が生きてたほうがいいと、主任技師。しかし、孫の形の祖父は、人生の意義は人類に役立つ事より、自らの生を楽しむ事自体と、身体を孫に戻しそれを味合わせると、説得。折からその孫もまねながら機械設計を、完成させてたを発見、朝までに機械は直る。
昼間はくっきり明るく艶やか、夜の野外は暗く沈み、と単純明快絵作り、祖父に扮した若い俳優は努力賞も、 演技も今風パターンの組合せ。そこへ、目立たぬ、橫へ、前後へ、手持ち揺れめ、らの映画特有の視覚呼吸とそのかなり高度なカメラワークの捌きをまぶしてる。望遠の配置·並べや、退きの図も縦や橫の関係まずしっかり、90°変のベースをやや斜めを増やして切返し·どんでんを角張らなくしてる。
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もう1本『エイジ~』については、ルックや構成の味わいの、大人テイスト、一方の愛すべきままごと対し本格懐ろを見せてる、を先に述べたが、客の詰りや不満、バイト店の扱い低さ、様々変わったベースの 係わる人々を描きながら、どうも監督が演じてる売れない若くはない現在の芸人の、秘めたキレや弾けのポテンシャルの惹きつけが弱い。「いつでも立ち上がる即興ステージの相方として、無理なく自然に、しかし傍目にはクレイジー、しかし人気集め·促され掻き立てられ続けた、実は勉強も秀才も、遅刻癖直すに、寿命縮めてもと、祈ってた奇妙習性のせいか、若くして事故死した」「その永遠の横並びが、幻としてもいる限り、現実では常にピンを続けてる」亡き相方を中心とした、小学校時代の日々の介入シーン、があまりにのびやか·自由で、その魅力に見劣りする。淡い色彩、白い空気や陽光取り入れの広さ、手持ちカメラのフリー切れ目なさ、もより際立ってる。しかし、『レイジング·ブル』彷彿の、鏡前、舞台へ縦移動、暴力的揉め事らの、緊迫感は確か。
金に余裕もなく、後もあまり期待も出来ず、1番組で会場を後にす。
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