このレビューはネタバレを含みます
「まどろみ」と名づけるように、哲学・死生観・動物としての人間・働かない/働けない、等というテーマが浮かんでは沈みを繰り返す。どれかのテーマに深くなろうとすればそれから逸れ、はぐれていく。太陽と惑星のように、一つの大きな中心を軸にプカプカと描けばいいものの、場所から場所へという小さなロードムービーのように、物語的に描いてしまうことへの違和感。
人間誰しも自分の中に肯定と否定がいるものであり、その葛藤・議論に演技のリソースを割いても良かった。
神の目線のようなショットの連続は、私たちが、このごく個人的な二人の話と世界が交わるのではなく、あくまで場所と存在を説明されてるような感覚でもあった。