のん

劇場版 名探偵ホームズ デジタルリマスター版ののんのレビュー・感想・評価

4.3
ビデオテープで何度も観た作品。
若き宮﨑駿のパワー溢れる作画が楽しめます。

当時、イタリアの国営放送から依頼があり制作された日伊合同作品。
コナンドイル原作の言わずもがなシャーロックホームズから着想を得たアニメですが、登場人物を犬にした事やコナンドイルの遺族との権利問題などがあり、放送延期になったりしていたとか。

そのせいか定かではありませんが、劇場版では登場人物の名前は少し改変されています。(モリアーティ教授がモロアッチになっていたり、エンドロールで「この作品はコナンドイルからの引用ではありません。」とテロップされる)

宮﨑駿が監督した劇場版。
やっぱりこれだよね!と言えるような爽快なカメラワーク、アクション、コミカルなモーション、どれを取ってもワクワクと惹き込まれる。

今の宮﨑駿には(何と言ってももうすぐ90歳)恐らくもう描けない、若い時代の勢いと体力、気力を感じることのできるエンタメ作品です。

スタッフには、当時日本大学芸術学部の学生だった、後にアニメ監督として頭角を表す片渕須直が脚本を務めており、宮﨑駿の「ネームバリューの無い若手に脚本をやらせてみたい」と鶴の一声で日大の学生に脚本を書かせてコンペを開催し、見事選ばれたのが片渕須直だったとのこと。

やっぱり才能のある人ってこうなんだよな...と自分のクリエイティブ力の無さにガックリしつつも、こういう作品がこれから生まれてほしい、アニメ業界の未来を願うばかりです。

※宮﨑駿といえば強い女性がよく登場しますが、今作も強く、聡明で男より男前な(そしてやっぱり美人笑)ハドソン夫人が登場します。宮﨑駿の理想なんだろうなぁ...。(私の理想でもある)
のん

のん