ます

大日本人のますのネタバレレビュー・内容・結末

大日本人(2007年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

クソ映画鑑賞会①
「ちゃんとした商業映画」を期待して見るとまあしんどい。学生の自主制作映画のようでテンポも悪い。がその一方収穫もあり、マイナスもプラスもある映画だと思った。

・設定が面白い
→松本人志演じる大佐藤は、巨大化して襲来する巨獣と戦うことができ、代々この仕事を担っていたが、昨今は獣があまり来なくなり社会的に微妙な立ち位置にある…という設定。
昨今こそ「ヒーローのその後」系はよく見るが、この映画は大分先駆けて+日本らしいオリジナリティを持って展開しているところがいい。

・おじさんキャストがいい
→よくもここまで多種多様なうだつのあがらないおじさんを集めた…。そして全てのおじさんが大変いい味わいを出していた。
おそらく松本人志は、落伍者/人生から目標を失った人達の解像度が高い+そういう人達を結構愛している気がする。

・クリーチャーデザインがいい
→巨獣は有名人の顔に奇形ボディがくっついており大変ギャグ的な見た目だが、妙に生々しい不気味さが出ていた。裏設定もありそうで資料集が見たくなる。

・描きたいものを描き切れていた
→戦いの中に身を投じ矜持を守ろうともがくものの、その一切合作が打ち破られる…という哀しさがよかった。またその哀しみは、全くドラマティックに描かれない。ナンセンスな笑いの中で消化されていく。救いなどない。ないのだ…。
ます

ます