このレビューはネタバレを含みます
そんなにSEXしたいかね。
レイプしてまでってのもそうだし、そもそもの話、裸より服着てる方が可愛いやろがい!
と思ってしまう私は、それはそれで失礼なのかもしれないけど、本作のテーマは服のセンスではなく、発展途上国における集団性暴力である。
しかも被害者は13歳の女の子。
さらに、犯人は同じ村の若者で、顔も名前も知ってる3人組というのがまた凄い。
「レイプは犯罪」という認識自体は一応一致しているようだけど、やれ深夜に出歩いていた被害者も悪いだの、レイプされた子は結婚できないから責任取って犯人が結婚するべきだの、法より村のしきたりや繋がりが重視されるだの、レイプ犯に優しい世界が展開される。
創作でも思いつかない展開を、現実でやってのけるから、当事者は心底嫌になるだろうな。
しかも、村の男性たちだけでなく、女性たちも同じ意見なのがまた村社会の恐ろしさを発揮していて、
「お前らにスマホなんぞ400年早いわッッ!」
と言いたくなるくらいの人たちで成り立っているのがまたもどかしい。
映画で宗教について取り上げられているわけではないけど、レイプより牛を食う方が重罪って、どんな倫理観してんだよ。
ただ、そんなインドにも支援団体は存在していて、被害者家族に寄り添い、裁判で娘のために戦う父親をサポートする。
人はみんな似たような姿形はしているけれど、中に詰まっているのは、まるで別物だなと改めて思う。
そして、被害者にとっての支援者は、加害者にとっては煽動者になっているというモノの見方も、忘れてはいけない。
あと、法は守るためにあるんじゃなくて、使うためにあるので、ちゃんと使わなきゃ正義が負けることだってあるのが、今の社会だなと思った。