虎を仕留めるためにのHenriFのネタバレレビュー・内容・結末

13歳の娘をレイプされた父親が家族のために立ち上がるドキュメンタリー作品。村社会と国家システムのズレが強調され、レイプ加害者側に有利な「村の慣習」に驚きと憤りを感じずにはいられない。
被害者側の家族たちが勇気をもって顔出しで本作に出演している点が素晴らしく、泣き寝入りしているレイプ被害者たちを勇気づけることができるだろう。あなたたちは悪くないのだ。

ドキュメンタリーという観点からは、加害者側の視点がもう少し欲しいところ。彼らはどんな生い立ちで、学校ではどんな存在だったのか等、そういう点があれば作品としての立体感がさらに生まれたのではないかと感じた。レイプ犯もまた人間であり、その共同体の中では「善人」なのかもしれないのだ。