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ラスト・リペア・ショップのxavierのレビュー・感想・評価

ラスト・リペア・ショップ(2023年製作の映画)
4.5
音楽に対する"愛"が詰まってるよな…
今年のアカデミー短編ドキュメンタリー賞を獲得した作品。
学生の為に楽器を修理する職人たちのドキュメンタリー作品で、作品には4人の職人が出てきます。職人たちは、同性愛者の男性にシングルマザー、観た映画に感化された者、国を追われアメリカにやって来た者などの境遇がある者たち。
でも彼らに共通しているのは、音楽に救われた事があるって事。
それがまたドラマチックなんだわ。
時代的にも同性愛が認められずに心が折れそうな時に"ありのままの自分"でいることに勇気をもらったり、シングルマザーとして子供たちに満足な生活を送らせられない時に、楽器の修理の仕事でそれが救われたり、幼い時に観た"フランケンシュタイン"
の映画の中のヴァイオリンの演奏に魅せられ、ミュージシャンとなり、ひいてはエルヴィスのマネージャー、トム・パーカー大佐に見出されたり、迫害を受け国を追われ着のみ着のままでアメリカにやって来て付いた仕事が幼き時に見たピアノの調律になったり…
そしてもう一つ共通しているのが、自分たちが楽器を修理をする事で、その楽器を演奏する学生たちの運命を良い方に変えたいという気持ちなんだよね。
その為に、一切手を抜かず、考えうる最良の状態で引き渡したいという思いには、観ていて心が打たれましたね。

この作品で印象に残った言葉。
シングルマザーの女性が仕事に応募した時に多くの男性を見て"自分はダメかも"って諦めそうになった時に母親が彼女に掛けた
「人生でやりたい事は何でも出来る。だから戦いなさい」って言葉は素敵でした…
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