つかれぐま

がんばれ!ベアーズ ニュー・シーズンのつかれぐまのレビュー・感想・評価

-
少年と野球。

その両方を得意とするリンクレイターが、76年の同名作品をほぼ忠実にリメイク。オリジナルへの深い愛・・。

リンクレイターの「6才のボクが・・」の中に、イーサンホーク演じる父と子供たちが野球を観戦するシーンが出てくる。父子の短い蜜月の楽しさに溢れたあのシーンと、実は同じ時期に撮影されたのが本作だ。

シナリオは、完璧だった前作のそれをほぼ完コピしているが、主人公バターメイカーと少女投手アマンダのキャラ設定を微妙に変えて、これが大正解。バターメイカーはチョイワル&エロで、中年男の色気がぷんぷん。少年の成長に必要な「悪いことを教えるオジサン」役を体現しているのがいい。

そしてアマンダ役には、演技よりも野球経験という少女を起用。肩幅の広いスポーツ体形で、力感あるフォームから投げ込む速球の美しさ。前作でテイタムオニールが見せた天才的演技とは真逆のアプローチだ。

保守主義を連想させるヤンキースと、リベラルに相当するベアーズ。両チームを優しく見守る星条旗。前作と全く同じアングルのラストショットが好きだ。