うめまつ

デ ジャ ヴュ デジタルリマスター版のうめまつのレビュー・感想・評価

3.6
めちゃくちゃ上質な二時間サスペンスみたいな演出なので「船越さんが主演でもいけそうだな」とか妄想しながら見てしまい、俄然本質を見落としている。どうやらシュミットを観る才能もなかったようでほとほとガッカリしたけど、そんな自分を受け入れて残念なレビューを書いてみます。

やたら顔がいい主人公が、イェナチュ(歴史上に実在するスイスの英雄らしい)に囚われて精神的に不安定になって行く話なんだけど、その本題になかなか興味が持てなくて辛い。主人公もフラフラと気が多いし特に魅力を感じられない。ただその顔がいいだけの主人公の妻はちょっとめんどくさいとこもあるけど可愛い。乗ってるタクシー停めて鈴を河にさらっと捨てるシーンが良かった。そう、男がむにゃむにゃしている横で女はああゆうことができるのです!と何故か得意げな気分になった。

その妻が白粉塗って芸者風?メイクしてたり、夫婦の家の壁に畳を立てかけてインテリアにしてたり、能のお面(ペルソナ)が写ってたりしてちょいちょい日本要素が入ってくるのも意味があるのでしょうが、清々しいくらい理解できておりません。でもラストの貝殻(珊瑚の化石?)がポロポロ落ちて来るシーンは急に市川春子みたいで好き。80年代な劇伴も作品を高尚にし過ぎなくて良い感じ。あゝまた何も掴めてない無意味な文章を書いてしまった。
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