JTKの映画メモ

季節のはざまで デジタルリマスター版のJTKの映画メモのレビュー・感想・評価

5.0
ダニエル・シュミット作品は、ここの映画館(現ナゴヤキネマ・ノイ、旧名古屋シネマテーク)で初期の数本と、最後に「デ・ジャ・ヴュ」を観てて、「デ・ジャ・ヴュ」では殆どないことなんだけど、終始寝てもうた(苦笑)。つまらんわけではなく、凄く眠かったのと、シュミットの夢か現かの作風はどうしても眠気を誘うというか、夢に誘うんだよな。とてつもなくいい意味で。逆に(逆に?(笑))、寝ることで有名なタルコフスキーは寝たことないんだよな、緊張感あるだろ、あれ。

今回の「季節のはざまで」もそうだが、シュミットの映画の多く(全部?)は、夢や記憶についての映画で、それも経年で甘美に刷り変わった甘くて淫靡で死人だらけの幻想譚。その濃度や深度はやはり「ラ・パロマ」や「今宵かぎりは」の方が濃いし深いが、この唯一無二の世界はシュミットならではのもの。記憶や夢、すなわち映画そのもの。好きすぎてどうにもならん。