アイアイ

パレードのアイアイのネタバレレビュー・内容・結末

パレード(2024年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

人は死ぬけど、その人の心だったりは継承され、永遠に続く。的なストーリーは好きなんだけど…

うーん。設定にうまく入り込めず…
序盤の写真を拾い上げたところで、おやおやと思ったけど、物にも死がある(瓦礫?)としてるのかなと思ったけどどうなんだろ?
溜まり場映画館も廃墟だったし、所有者が死んだものは触れるのかもね。

死者が物に触れると、生者の世界に干渉できるわけで…
そうなると、未練もそんな長く残らず、割りとすぐ成仏できるのでは…?
と思ったり…

パレードもなあ…
死者が光を手に持って、彷徨い歩いてるってのは映像もきれいでいいんだけど。
あれって生者を探してるんだよね……?
死者同士が探しあってるの…?

生者でも死者でも、基本的には家なり職場なりすぐ見つかりそうだし…
(この辺、長澤まさみが主役やってた前半に絞ってたら、震災により生者の居場所も分からないってことで通りそうではある…。実際、長澤まさみの息子は孤児となって居場所が分からないわけだし)

(そもそも、人を探すのにパレードとは?ではあるが…。死者のパレードそのものは美しいし好きなんだけど、設定に疑問が…)
(いっそあの幽霊体は未練でその先にいけないのではなく、その先は無くして、死者の世界も生者の世界と表裏一体で、死者同士が死後の世界で再会するためのものならしっくり来るけど、未練のドラマ無くなるな。)


長澤まさみが息子と話せたのも、感動のために設定を無視したと思ってたけど、あれ息子が熱出したことによる仮死状態だからだろうな。

(これも最後の森七菜見るまでは、完全に死にきって無くても幽霊体になれることが分からないので、
それまで横浜流星の想いが、長澤まさみに比べて奇跡を起こすレベルにないように受け取れてしまって…。)

(仮死状態による交流なくして、心霊映画にはなるが、みんなで撮った映画が現実世界で未公開フィルムとして見つかって、それを残された人々が見て…ってしたほうがスッキリしないかな…)


好きなとこもありはした。
横浜流星パートが特によかった。恋人がまだ自分のことを忘れてない嬉しさと、恋人にはもう別の婚約者がいた悲しさと多少の安堵を含むような表情がグッときたわ。
マイケルの「七回忌おめでと!」もこの作品の設定じゃないと出ない台詞でよかったな。

今回、制作途中でのプロデューサーの急逝を受けてマイケルパートが大きくなったとは予想するけど、映画づくりの楽しさだったり、映画が未来に残ることが伝わってきてよかった。

(「テレビは流れるけど映画は残る」って台詞は、前半余計だし、後半も言葉にするのは恥ずかしくない?
死者も現実の物に干渉できる?のなら、フィルムを溜まり場の廃墟に残すのではなく、未公開の映画フィルムが見つかったとかに…。映ってる森七菜の扱いむずいか。)

他には、中島歩の年取った姿が舘ひろしで違和感なさすぎること、森七菜と同級生の田舎の学生から都会の女性への変身ぶりとか驚いたな。
(スクランブル交差点の合成は微妙でやらんでもよかったのでは)


死者と生者の交流では、その間の壁を越えるのが難しいから感動のドラマになると思うんだけど、今回その壁がフラフラしてる印象で、いまいち感動できなかったってのが全体的な感想かな。
アイアイ

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