金と知恵

パレードの金と知恵のレビュー・感想・評価

パレード(2024年製作の映画)
4.0
Netflix配信作品。テレビでたまたま予告が流れて、それを見た私は圧倒的な映像美とRADWIMPSボーカル野田洋次郎の音楽に魅了され、これは見たい!となり視聴。

予告の作りが「余命10年」のようだと思っていたら、それもそのはず藤井道人監督作品でした。

あ、やっぱりリリーさん出てる!笑
とこの監督作品お馴染みの俳優さんがたくさんいてほっこり。

作品は津波の被害をフラッシュバックさせられるようなところから始まります。

そこからどんどん不思議な世界が広がり、やがて一つの廃墟の遊園地へ。

この遊園地がまた魅力的でめちゃくちゃ好きな映像でした。死んではいるけどまさしくそこにいる!というのが暗い夜に美しく幻想的な場所としてマッチしていましたね。

美しいのはここだけではなく、みんなで会いたい人を探すシーン。ここも一人一人が灯籠やライトを持って一斉に歩いていくシーンは、遊園地シーンもそうですが絵本の中の素敵な空間のような。

本当好きな世界観でした。

死んだけど現世にいるのは、各々やり残したことがあるから。

主人公を取り囲むように個々のショートストーリーがあり、それぞれでうるっとくるような仕上がりに。

横浜流星も素敵な役でしたね。
必見です。

そしてあれよあれよと展開が進んでいき、おー!こう持ってくるかーというライストへ。

後で調べたことですが、藤井監督と長く仕事をしておられた河村プロデューサーの死がきっかけとなり藤井監督のこれまでの歩みと河村プロデューサーとの出会いが合わさっての素敵な特別作品であることが分かりました。

「映画こそ、自由であるべきだ」

こんな素敵な名言を残した河村プロデューサー。

それを作中でも取り入れており、河村プロデューサーへの愛を感じました。

私たちは、会いたくても会えない人がいます。
それはもう死んでしまった人です。

会いたいけど会えないことはとても辛いことです。

この作品は、そんな別れの経験をした人たちに寄り添えるような作品でもありました。

大丈夫。必ず会えるさ。🦋
金と知恵

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