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パレードのhirobeyのネタバレレビュー・内容・結末

パレード(2024年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

現世に心残りがある魂は、あの世に行く前に現世に留まり、月に一度パレードを行い会いたい人を探す。

とても良かった。感涙🥲🥲

キャストの豪華さもあるが、上記の設定と、映画への愛、家族・恋人への愛がしっかり描かれていた。

主役は長澤まさみで、一人息子を探すストーリーが軸にはあるが、どちらかというと未完の作品が心残りの映画監督マイケルの映画への思いがストレートに伝わってきた。映画人のための作品と言ったら言い過ぎだろうか。

本作は、2022年に亡くなった映画プロデューサー河村氏の追悼の意味もあるようで、まさにマイケルは河村氏。きっと死後の世界でも、映画を作っているのだろうという想いと、たとえ未完の作品があっても、完成させることができる世界があるよという藤井監督のメッセージのようだった。昨夜の日本アカデミー賞でも、磯村勇斗が「月」で最優秀助演男優賞を受賞した際のスピーチで河村氏に触れていた。

森七菜扮するナナが、仮死状態から蘇生した後、きっと美奈子の息子・良とパレードの話をしただろうし、良もあの夜、母から聞いた話を覚えていてナナを信じたのではないだろうか。そんな最後の展開は胸熱だった。それと同時に映画への愛も受け継がれていく。

本作のように、あの世へ行く前の世界はあったらいいなと思う。(地縛霊とは違うかな?)ただ、そこで新たな人間関係ができて、アキラのように好きな人と出会ってしまうと、さらに新たな別れが訪れるのは辛い。アキラは生前寝たきりの生活だったから、この恋愛感情はとても貴重なモノなのかもしれない。

はからずも「コットンテール」に続いて、リリー・フランキー作品を鑑賞した。あらためていい味出す俳優さんだ。

そうそう、「ベイビーわるきゅーれ」の高石あかりも出ていて、おぉとなった。

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追記
漫画家の鳥山明氏が亡くなられた。ワンピースの尾田栄一郎氏の追悼コメント、本当にそうだといいなぁと思う。
「天国が先生の想い描いた通りの愉快な世界でありますように」
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