未練を抱えた死者と生者の交流を描くファンタジー群像劇という、特に邦画では見慣れたフォーマットだが、これをNetflixで世界配信するところに野心を感じた。とにかくキメの細かい印象の映像が美しく、優しくも彩りのある光に照らされて、どの役者もとても美しく見えた。この手の映画にありがちな大袈裟な盛り上げ方もなく、また、役者の演技も落ち着いていて、静かな気持ちで鑑賞することができたところがよかった。ただ、リリー・フランキーのクセ付けはちょっとノイズに感じてしまった。全体的に死者を傍に感じさせてくれる生者のための物語になっていて、その感覚を更に固めてくれるエンドロールの映像も素敵だった。