ジャヌスとサムの酔っ払い道中のtomie77のネタバレレビュー・内容・結末

高校卒業を控えたジャヌスとサムが住む村は、住民の多くが酔っ払いで酒がらみの問題が絶えない。ジャヌスが子供の頃に父は飲酒運転の事故で死亡。母はその経験から村長として飲酒を規制し、村を救おうと躍起になっていた。そんな飲酒がタブーの母親に育てられたジャヌスが幼馴染のサムと卒業パーティーの酒を買い出しに行く羽目になり…。

酒代を失くしたジャヌスとサムが何とか酒を調達しようとする顛末を描くユーモラスながら気持ちのいい青春映画だった。不名誉でしかなかった父の意外な過去を知り、父への想いに変化が生じたり、最初は好きな女の子におどおどしていたのが酔って大胆になり、堂々とアプローチしたり、ちょっと冴えなかったジャヌスがどんどん逞しくなっていくのが微笑ましい。
サムが強気な姿の裏に、一生田舎暮らしで未来に希望がない自分の境遇へ鬱屈した思いを抱いていたり、ジャヌスへの恋心を隠しているのが切なかった。

ジャヌスとサムがあくまで恋愛で結ばれない最高の親友のままなのが良かった。進学するジャヌスだけでなく、サムにも希望がもたらされる終わり方なのが好き。
音楽の使い方もかっこよかった。