このレビューはネタバレを含みます
kero clock可愛い目覚まし時計ね。
においに敏感で匂いが好きな少女。
コーヒーを届けに全国のミニシアターを巡っていた父親のノート。
親子で人類が苦手。
においってね、記憶よりも先に消えていく。
御成座。
映画館との一体感が良い。
陰毛が縮れているのは、フェロモンを閉じ込める為。スープのちぢれ麺と同じですね。
においのための一人旅。
ここだけにしかない音がする。においもね。
映画を観ること、全て含んで思い出になる。
無くなるものはあっても、消えるものはない。そこにあったという事実は消えない。
お父さん(まつひこさん)は、この小屋でみる映画が好きだった。
ひのき。街でのアナウンス。父への後悔のようなもの。
やり残したことがあるから、そこに影を探してしまう。
足りなかったのは、ひのきの匂い。
これは映画を作る物語。
父親と見に行った映画の記憶。
泣いてる?まだ始まってないよ。
「始まってる。」
主題歌「夕日は昇る」
余談
僕も始まってたんだ。
映画館を巡ることも、巡り始めたことも。
誰と行った?どこで観た?その観たいと思った動機も全部覚えてる。覚えてるから。
本当いろんな思い出、感覚、感情がめくるめくんだよ、暗闇だからそっと。
それを逃さないように、匂いと同じ、真空パックして保存するために、僕は必死にノートに記す。
においが眠るまで。