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サリーのichikawaosamuのレビュー・感想・評価

サリー(2023年製作の映画)
4.5
大阪アジアン映画祭

養鶏で泥まみれの毎日を過ごすうち中年にさしかかっていた女性が、出会い系アプリでフランス人と恋に落ちる。ロマンス詐欺だと周囲に言われるなか、彼女は愛を確かめにパリへ行き…。自分を愛する大切さを描くヒューマンドラマ。(ここまで映画サイトからの引用)

台中の田舎でのワンちゃん(サツマイモ)とニワトリも、洒落たパリの風景もとてもいい感じでした。

マッチングアプリはとかく悪者扱いされる事が多いけど、上手く使えれば、適度に距離を置いた人と関わりを持てるし、孤立を解消できるコミュニケーション手段になるのでは?と、ふと思ったりした(決してロマンス詐欺を後押ししてる訳ではありません)。

と言うのも、ロマンス詐欺の手前までのサリの表情がすごく充実していて素敵に見えたから。裏を返せば、「自分で選択できるようになると思ってたが、そうでない」と言う発言のように、日常での女性の生きづらがまだまだ残ってるんだろうなと。

ストーリーから外れますが、個人的には、パリに行ったサリがほぼ初対面の友人に「私は詐欺に引っかかってしまったの」と、騙された自分のことをストレートに話してた事が、素敵だなぁと思った。

騙されてしまった自分を卑下するでもなく、他責に訴えることもなく、率直に目の前の友人に開示する。現実を直視して受け入れる。そこから再出発できる。これだよな。
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