これがね良かったんですよ！ちょっと一言じゃ言えないんですが、答えの出ないものに対して無理してない感じが、とても温かく共感に富んでました。着地点があるようでないようである。結局死ぬな生きろ、みたいなところにまで発展してふわっとするしかない推しへの思い。
思春期の自己形成の時期に出会っちゃったりすると、広がりつつある自我の延長に推しを丸っと取り込んでしまいがち。それが推しの悪行によって崩れてしまった時、相当な喪失感や無力感、罪悪感、共犯意識を感じるのも分かる。裏切った推しに対して怒りや現実逃避の向こう側にあるのはなんだろう。
この映画は同じように夢壊された友人へのインタビューで構成されたとてもプライベートな作り。特に認知された成功者の話ではなく一ペンの話としても同じこと。途中ジューサーが壊れてちょっとした惨事が起きるんだけど、私はそのシーンがすごく印象に残った。実にこの映画を象徴してるように思う。
