前之崎文吾郎

成功したオタクの前之崎文吾郎のレビュー・感想・評価

成功したオタク(2021年製作の映画)
3.5
「推しが犯罪者になってしまったその時、果たして私は被害者か?加害者か?」という地点から始まるこのドキュメンタリー。
そこに辿り着ける時点で既に救いがあると思う。もちろんそこから推しへの誹謗中傷に走るのは違うけど、日本で起きたあの事件で「推し(がいる箱)をひどい目に遭わせる周りこそが加害者」になってしまった人たちとはまた全然違う世界を見てるんだなと思った。

「推しは夢の世界を創る救世主」その存在を否定することはずっと信じて推してきた過去の自分丸ごと否定することになるのかもしれない。そんなことないのに。
「あなたには自分でちゃんと刻んできた人生があるよ」なんて私の言葉はきっと届かない。でも、あなたの存在すら知らない推しの言葉なら彼女たちの心に届くのかもしれない。