推しの男性アイドルが性加害で逮捕された。かつて、推しに認知され、ファンの間でも有名だった"成功したオタク"セヨンは、推しの逮捕をきっかけにセルフドキュメンタリーの撮影を始める。
推しが犯罪者になる。自分の信頼していた人が信頼出来ない人になる経験をしたファンたちがそれぞれの想いを語る。彼女たちの言葉には、やり場のない怒りや、それを通り越した諦めが滲んでいて、裏切りの代償の大きさが感じられる。
それまで推しに捧げた時間や金銭が無駄になってしまうのか。犯罪者になった推しを推し続けることは二次加害になるのか。そして、推しがいなくなった自分は何者なのか。失敗したオタクたちが語る推し活の答えとは。
おそらく推し活にも階層があり、劇中に登場するオタクたちは上位層であるが、生活破綻するほどに狂ってはいないようだった。捧げた時間と金銭の分だけ、失敗したオタクになることの代償が大きいという公式で考えると、本当にトップクラスのオタクが失敗するとどうなってしまうのか、恐ろしくなる。
尺的に見やすく、キャンセルカルチャーについて考えるのによい作品
