真理に触れたかもと思う感覚はどんなドラッグにも勝る劇薬なのかも。
もう少しくらいはマックスの言ってることを理解できると思って観に行った自分の脳を買い被ってた。
もしかしたら思うより早い段階で彼の狂気の世界に突入してたのかもしれない、と後で思い返す。レニがヘブライ語と数字の関係の話をし始めたあたりとか…。ラストシーンが夢っていう解釈が直截だとは思うけど、反対に悪夢から目覚めた現実で幕引きであってほしいな。
コントラストの強い白黒に、揺れまくるカメラワークに、容赦なく追い詰めつつイケてる電子音に…めちゃくちゃ消耗させられるけど、このセンスはやっぱり抜群。
ずっと観てみたかったダーレン・アロノフスキー監督のデビュー作を映画館で観られてよかった。ここから「ザ・ホエール」に至るまで精神を追い詰める演出を昇華させていったんだと思うと、感慨深い。