邹启文

正義の行方の邹启文のレビュー・感想・評価

正義の行方(2024年製作の映画)
4.0
実に構成が上手い。
飯塚事件を題材に犯人を逮捕するまでの前半と、犯人を作ってしまったのではないかを検証する後半が見事なまでに対比している。
さらに中盤までは捜査官と新聞記者との対比で物語を展開していく一方、取り返しのつかない日を境に国と人間という対比へと変わっていくのは上手すぎるよなとしか言いようがないよね。

この手の作品は事実に焦点を当てすぎて眠くなってしまいがちだが、操作の中での高揚感や、違和感を持ちながらスルーしてしまったことへの後悔など、見る人も被写体と同じ気持ちにさせてしまう巧みさがあるので没入感が半端ない。
その中で言論の自由を守りつつ、言論の責任を果たそうとする姿を貫き通そうとする人もいるので尊敬の念しかないよね。

NHKも東海テレビに続いて優れた作品を作れるよう応援していきます
邹启文

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