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アンフロステッド: ポップタルトをめぐる物語のLCのレビュー・感想・評価

3.2
面白かった。

作中、 Kellanova ( Kellog ) と Post の2つの会社が熾烈な争いを繰り広げる。
ケロッグはコーンフレークやココアクリスピー等を手がけた会社だが、本作ではそのうちのひとつ、ポップタルトに焦点をあてている。

面白いのは、ライバルである2社の関係。
ケロッグは遡ると、健康になる為にお金を払って滞在する感じの施設(セレブ向けのお値段設定だったらしい)に辿り着く。その施設でコーンフレークが生まれ、その施設で働いていたケロッグ兄弟によってシリアル会社の設立が成された。
その施設に、ある時過労によるストレス症状に悩まされていた人が入ってくる。本作でポスト社のトップを張っていた彼女、その父親である。この方、「施設でコーンフレークのレシピを盗んだ疑い」で訴えられていたりする。
因縁バチバチな感じが、作中の攻防にも現れている気がするね。

朝食向けのトースター(乾燥させた、とか、熱で茶色くさせた)菓子市場を拡大させたい両社は、素材は何だと探り合ったり商品名を先に発表されて焦ったりと忙しい。
そこに、様々なマスコットキャラクターの悲哀も絡んで、わちゃわちゃ度が非常に高い。
Tony The Tiger (虎)も Corny (緑の鳥)も Sam (青い鳥)も、そういう着ぐるみじゃないキャラクター Snap, Crackle and Pop (愉快な3人組)も、兎に角これでもかとお馴染みのキャラクターが出てくる。それだけでも十分楽しい。

エピローグでは、ポップタルトが米軍に空輸された映像が使われるけれど、この時、約240万個運ばれている。ポップタルトは賞味期限が長くて消費しやすい、ということで選ばれたようだ。
ちなみに、戦場に立つ米軍兵による消費ではなく、アフガニスタンの民間人に栄養を提供する、という目的(人道的支援目的)で空輸されている。

私は虎さんの商品が1番好きだった気がするなあ、お猿さんのチョコワも食べたけど、やっぱり虎さんだったかなあと思い出したりする。ポップタルトは、ちょっと私には甘ったるかったような記憶がある。
甘味を求めてゴミの中を冒険する子どもたちの飽くなき素直な欲求には笑ってしまう。ポスト側もケロッグ側も、ちゃんと子どもの意見を聞く姿勢があって、そのことに関してはほのぼのする。
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