監督のQ&A付き最速試写会で鑑賞させていただきました。
ポスターを見た時から好きそうな作品だと思ってましたが、想像通り、いやそれ以上に私の大好きなタイプの作品でした。ラストで一気に感情が込み上げて来て、完全に喰らった。あのラストを見せられたらそういう作品大好きな私は抗えません。必死で涙堪えたし、周りもラストで一気に泣いた気配を感じました。
一つ嘘をつくと、嘘がばれないようにまた嘘をつく。嘘に嘘を重ね、罪に罪を重ねる。この物語の中にはたくさんの嘘、隠し事があった。
認知症の老父と記憶喪失の少年の二つの「憶えていない」が千紗子の隠し事にぴたりと嵌り、三世代三人の関係が紡がれていくのも面白い。嘘で繋がった関係なのに、そこには純粋な愛があり、人は愛一つで満たされる。私は常日頃から家族に必ずしも血縁は必要ではなく、自分から選んでいいと思っているので、疑似家族の話は大好き。でも実際には誘拐と言われるのだろうしどうしたらいいのだろう。千紗子のしたことは罪だとわかっているけど、自分だったらどうするかと考えてしまう。
「万引き家族」「八日目の蝉」が好きな人は好きだと思う。
ただ、飲酒運転が軽視されているのはいただけない。飲酒運転は重罪ですよ。
そのほか気になったところがいくつか。佐津川愛美演じる友人の息子が近所の人に迷惑をかけたということで電話で呼ばれるのが事のきっかけだが、まずあれは時間帯的に子供が外で遊んでいるような時間じゃないので、普通は子供が迷惑かけたらすぐ呼ばれると思うのでそこがまず違和感。そして事故後は息子のこと謝りに行かなきゃいけないんじゃなかったっけというのが気になる。まあそれは後回しだろうけど。
それと、後半で佐津川愛美が息子連れて遊びに来た時に、もう一人増やしたら的な発言をしたんだが、自分の息子あげるわ〜的な意図で言っていると思うが、ふざけて言った言葉だとしてもそんなこと言う？？とびっくりしてしまった。事故起こしても息子のためにって隠蔽するほど息子大事な母親から出る言葉だとは思えない。
認知症描写も一部違和感があったんだが(でも私が詳しくないので知らないだけかもしれない)、監修とかエンドロールで見逃したからどうだったか知りたい。
出演シーンの少ない俳優まで結構良い俳優を使っていて個人的には豪華で嬉しかったのだが、病院受付の河合青葉さんはもっと話に絡んでくるかと思ったからあの後何もなくてまじかと思った。一瞬でしたよね。
