北國浩二さんの小説「嘘」を映像クリエイターの関根光才さんが杏さんを主演に迎えて映画化した本作は、「記憶」と「嘘」をキーワードに、罪と愛が相克するドラマが展開して心揺さぶられる。
絵本作家の千紗子は、長年に亘って絶縁状態となっていた父・孝蔵が認知症を発症した為に仕方なく故郷へ戻って介護をすることになる。
他人のような父との同居に辟易する日々を過ごしていた或る日、彼女は事故で記憶を失った少年を助ける。
その少年の身体に虐待の痕跡を見つけた千紗子は少年を守る為に、自分が母だと嘘をついて一緒に暮らし始めることにする。
認知症が進む父と3人で、最初はぎこちないながらも次第に心を通わせ、新しい家族のかたちを育んでいく千紗子たちだったが、思わぬ事態が降りかかってくる。
本作には、主演の杏さんをはじめ、奥田瑛二さん、中須翔真さん、安藤政信さん、佐津川愛美さん、酒向芳さん、木竜麻生さんらが共演している。
これらキャストたちによって紡がれるドラマでは、親子の絆、犯罪、介護、認知症、虐待など多様な要素が複雑に絡みながら、登場人物夫々が苦悩のうちに葛藤し、やがて様々な感情が溢れ出していく。
そして、最後には何とも言えない優しさや希望が我々を包み込んでいきます。
