keinoshin

劇場版 再会長江のkeinoshinのレビュー・感想・評価

劇場版 再会長江(2024年製作の映画)
3.5
南京在住の日本人監督が中国を流れる大河・長江を源流に向かって遡りながら、10年前に撮った作品に出てくれた人たちのその後も追跡するドキュメンタリー。
観客は日本人と在日中国人を想定しているのか、日本語の発言は中国語字幕に、中国語の発言は日本語字幕になってます。(日本語に日本語字幕が表示されることが度々あって「???」ってなった)

長江の全長が日本の2倍くらいの距離があるらしく、作品内で映される場所も超高層ビルが立ち並ぶ大都市から歴史的建造物が聳える町、緑豊かで長閑な田舎町や綺麗な湖、果てしなく続く荒地など「本当にこれが一つの国の中に?」と思ってしまうほどバラエティに富んでいて、中国の国土の広さを思い知った。

その中で特に印象に残ってる景色が、代々女性がリーダーを務める少数民族・モソ族が住む瀘沽湖と監督の代わりにディレクターが撮ってきた長江の源流付近。
前者は、監督と飄飄が乗る木船だけが浮かんでいる瀘沽湖を空撮した画が本当に美しいやら幻想的やらで、自分もいつかここに行ってみたいと強く思ったんだけど、上映後のQ&Aでの監督曰く、撮影時期がちょうどコロナ禍と重なってしまったことによって奇跡的に撮れた画で、コロナが明けた今は観光客が多すぎてとてもじゃないけど映画のような景色は見れないとのこと。

元々中国に興味があったので作品自体は大変興味深く観たんだけど、脇を固めるのが芸能ゴシップ大好きな自分があまりいい印象を持ってない芸能人2人だったので、そこだけがちょっと残念だった。
ナレーションを担当するこじるりは人名を読む時だけ何故か中国語に忠実な発音をするので、それが気になった。特別ナレーションに向いてる声とも思わなかったので、プロの声優さんに頼んだ方が良さそう。
そして時折出てくる前作の映像に日中混血俳優のトントンこと阿部力が映っていて、その度に上原多香子の名前が過ぎるのでなんとも言えない微妙な気分に。多分あの空間で阿部力の姿を見て上原多香子の名前を思い浮かべたの、自分だけだったと思う。

こじるりと阿部力に何とも思わない人は楽しめる作品だと思います。

余談。
その日の夜に家でシャワー浴びながら「上原多香子は関わる男を漏れなく不幸にする女だから、阿部力もまた被害者だったのかもしれない、、、」って考え直しました。まる。
keinoshin

keinoshin