あすなろ文化祭

心の旅路のあすなろ文化祭のレビュー・感想・評価

心の旅路(1942年製作の映画)
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タイトルもモノクロ画面も制作年代も、古色蒼然とした作品イメージを形作るが実際は、ハリウッドの名匠マーヴィン・ルロイ監督の名作であった。練られた脚本も素晴らしいが、やはりこれは、ルロイ監督独特の洗練と上品さが結晶した作品である。コールマンもガースンもその持ち味を十分に生かして素晴らしい芝居を演じる。リアリズムからはほど遠いような一種夢物語のような設定にもかかわらず、なにやら画面からは生々しい人間の躍動感が伝わってくるのは何故だろうか。当時のハリウッド・システムで作られたウエル・メイドな作品のこれも一つなのだが、周到な画面連鎖が、これをしなやかに裏切り続ける。傑作。
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