Neki

理由なき反抗のNekiのレビュー・感想・評価

理由なき反抗(1955年製作の映画)
3.6
年代とタイトルから、サリンジャー的な青少年の話かと思っていたがちょっと違った。理由じゃなくて出口がないんだと思う。出口なき反抗。未成年特有の、意味をなさない(形にならない)SOSには残念ながら映画の中では出口がない。出口がないから正当な何かしらの形にはならない。どこまでもひたすら反抗的で、終わりがない。ちゃんと話を聞いてくれる人には心開いてたじゃない。わかりやすく描かれる親の失態。

サリンジャーもそうだけど、この年代のアメリカの青少年が過ごした反抗期がちょっと独特だと思うのは、戦争と大衆文化を含む価値観の急激な変化、かなあ、背景にあるのは。考えよう。同時期に発表されたカミュの反抗的人間も再度読みたい。この映画が当時の若い世代に与えた影響がものすごい。ビートジェネレーションだ。

ジェームズディーンに軽く痺れた。セリフはまあ思春期ならねって感じだけど、言葉に何度も詰まったり、掴めるようで掴めない雰囲気が漂う仕草とか。ジムの着てたビビットな赤のブルゾン(黒ブルゾンとの対立)や、出だしのヒロインの緑のセットアップすごく印象的だったなあ。ああ可愛かった。1950年代はパリでココシャネルが新しいスタイルバンバン発表してた時か。ディオールから始まったニュールックの時代か。良い、とにかく。
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